朝鮮の農業

 

造林事業

1910年頃の朝鮮半島の林野分布図(朝鮮総督府農商工部作成)。緑色:成林地、立木の密度完全なる物を1としその0.1以上を有するもの。桃色:稚樹発 生地、鎌にて刈りうる程度の稚樹発生地にして密度0.1以上のもの。黄色:無立木地、密度0.1未満の疎林地及稚樹疎生地又は草生地岩石地等。

1910年当時の朝鮮全体の山林面積は1585万ヘクタールで、全面積の71%に達していたが、木材資源を示す林木蓄積量は1ヘクタールあたり17立方メートルであり、2009年の韓国の16.5%水準に過ぎず、特に南部の海抜の低い低地帯では若い木と禿げ山が大部だった[78][79]

朝鮮半島の造林事業は当初は河川保持などの砂防目的が主眼であり、地形調査の結果、朝鮮半島は花崗岩台地の山岳地帯で、緑が育ちにくいことが判明したことが始まりとされている。森林が無ければ、降雨で土砂が流れ込み、農林業に影響を及ぼす。1924年の京城日報によれば、造林事業は1911年には約4千町、1152万本だったが1922年までの累計は個人の造林事業などを含めると約36万町、10億本に至ったと報告されている[80]。 造林方法は植林・接木や普通播種などもおこなわれたが、国有林制の導入などによる自然復元によるところが多い。朝鮮半島北部では軍部が木材伐採事業を直接 経営しており、ここでは当時の山林経営の常識として自然収奪(伐出)的側面のつよいものであった。一方で保安林の確保や林道整備など評価される点も多いが 戦争末期には朝鮮半島の造林事業は放置される傾向が強くなった。

大正13年(1924年)時点での朝鮮半島造林事業統計
(単位:面積は=9917平方メートル、本数は千本)
大正8年
(1919年)
大正9年
(1920年)
大正10年
(1921年)
大正11年
(1922年)
明治44年以降累計
(1911年〜)
国費 面積 684 414 1046 655 5,012
本数 346 504 1,680 1,694 14,815
地方費 面積 223 203 300 520 3,155
本数 1,051 729 1,612 2,940 14,267
民営 面積 41,560 58,386 52,221 50,176 356,676
本数 117,807 156,720 143,949 145,564 1,029,622
面積 42,467 59,003 53,567 51,351 364,843
本数 119,200 157,953 147,241 150,198 1,058,704